◆『まれびと』の登場する『コミック』『マンガ』『アニメ』『ゲーム』と『ライトノベル』。
「スーパーマン(Superman)」は1938年にアメリカン・コミックで創造され、近代における全ての『スーパーヒーロー』の原点で有ると同時に、太陽系外よりやって来た紛れも無い『まれびと』である。
「バットマン(Batman)」は1939年に登場したアメリカン・コミックのスーパーヒーロー。
犯罪者とは本来こっそり悪事を働く物であるが、ここでは違う。仮面劇のこの作品は、まるで善きも悪きも『まれびと』共のパーティー会場だ。
「ドラえもん」を代表とする『藤子不二雄』作品「居候キャラクター」物の個性的なキャラクターは、どれを取っても『まれびと』である。
「オバケのQ太郎」
「忍者ハットリくん」
「怪物くん」などの作品群。
「うる星やつら」は『まれびと』を次々と登場させる事で作品が作られていた。
「ドラゴンボール』(DRAGON BALL)」神龍や亀仙人、占いババやミスター・ポポ、神様やピッコロ大魔王、魔人ブウなど、数々の『まれびと』と言えるキャラクターが登場する作品だが、なんと言っても主人公、孫悟空がサイヤ人『まれびと』であった。
「DEATH NOTE(デスノート)」の「キラ(KIRA)」は人類にとって『まれびと』の可能性が有る。夜神月にとって死神「リューク(Ryuk)」は『まれびと』である。
「JIN-仁-」現代の脳外科医が幕末へ現れたらどうなるかを描いた、マンガ・テレビドラマで、医師本人は自分がここでは『まれびと』である認識を持ち隠すが、患者を前に「ペニシリン」を作るなど歴史的事実に干渉してしまう。
「進撃の巨人」は、突如出現した「巨人」『まれびと』によって人類は滅亡の危機にひんし、それに抵抗し「巨人」『まれびと』の謎に迫ろうとする物語。
「宇宙戦艦ヤマト」では、地球人類の滅亡の危機にイスカンダルよりの使者『まれびと』が現れるが、宇宙戦艦ヤマトが長い道のりを旅する内に意図せず自分たちが『まれびと』へ転じる構造になっている。
「魔法少女」物に付き物の変身を司るキャラクター「美少女戦士セーラームーン」の「ルナ」や、「魔法少女まどか☆マギカ」の「キュゥべえ」は彼女たちにとって『まれびと』である。
ただ、「魔法少女」物には「記憶操作」が付きまとうため、「魔法少女は『まれびと』かいなか」は議論が必要だろう。
「魔法使いサリー」は魔法の国から人間界へやって来た異世界人だから『まれびと』で有ろう、しかし人間が「魔法少女」に変身した場合『スーパーヒーロイン』であっても来訪していないため『まれびと』では無い。被害者が「魔法少女に救ってもらった」と認識していれば『まれびと』の可能性が有る。
アニメ「ポケモン」はピカチュウたちが『まれびと』となり街々を巡り物語が進む。
「新世紀エヴァンゲリオン」の「使徒」は紛れもない『まれびと』である。
「Fate」では、英霊たちが『まれびと』である事は疑いようが無い。
「STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)」は、「転校生」物として見ると「牧瀬紅莉栖」が『まれびと』に当たる。
「異世界転生」物は全て、『まれびと』本人が主人公か、『まれびと』が現れることで事件が起こる、
「この素晴らしい世界に祝福を!」
「オーバーロード」
「Re:ゼロから始める異世界生活」などである。
「涼宮ハルヒの憂鬱」および「涼宮ハルヒシリーズ」は、2003年に刊行されたライトノベルである。
「宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい」と『まれびと』の来訪を要求する女子高校生の物語?
◆『小説』と『映画』『テレビドラマ』に見る『まれびと』。
ミステリー作品で、探偵役が完全な第三者だった場合は『まれびと』の可能性が考えられる。ただし現場に現れない「安楽椅子探偵」は除外されるかも知れない。
「シャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)」シリーズは、アーサー・コナン・ドイルが1887年から1927年にかけ発表したミステリー作品で、その記録役のジョン・H・ワトスンと共に間違いなく『まれびと』である。
「悪魔の手毬唄」は、昭和46年(西暦1971年)に発表された横溝正史の長編推理小説で『まれびと』信仰の言及が作品内に存在し、横溝は『まれびと』を意識して探偵「金田一耕助」を描いていた可能性が高い。
「アルプスの少女ハイジ(Heidis Lehr- und Wanderjahre と Heidi kann brauchen, was es gelernt hat)」は、スイスの作家ヨハンナ・シュピリが1880年から1881年にかけて発表した児童文学。ハイジはアルムおんじにとって、いやペーターにとっても、そのおばあさんやフランクフルトのクララ・ゼーゼマンにとっても、その父や祖母にとっても『まれびと』であった。
「赤毛のアン(Anne of Green Gables)」は、カナダの作家L・M・モンゴメリが1908年に発表した長編小説で、アンはマリラとマシューにとって『まれびと』である。
「あしながおじさん(Daddy-Long-Legs)」は、アメリカの作家ジーン・ウェブスターが1912年に発表した小説。孤児院のジュディ・アボットが、月一回学業の様子を手紙で報告する条件で匿名の資金援助を得られる事となり、その物語をジュディの手紙のみで語る「書簡体小説」のラブストーリー。彼女にとって「あしながおじさん」は『まれびと』である。
ただし、ラブストーリー全てが『まれびと』になってしまう可能性も有るので注意が必要だろう。
「原子怪獣現わる(The Beast from 20,000 Fathoms)」はゴジラに先んじた1953年制作アメリカのモノクロ特撮怪獣映画。
核実験で蘇った恐竜リドサウルスが市街地に上陸し、攻撃されるも血液の病原体から感染症を引き起こす。最後はアイソトープ(放射性ヨウ素)弾が撃ち込まれ決着が着いた。不の警告的『まれびと』である。
「七人の侍」は昭和29年、西暦1954年公開のモノクロ映画で、七人の『まれびと』たちが野武士の略奪より村を救う話しだが、百姓が侍たちを雇うシーンでは彼ら百姓自身が、行き詰まった侍にとっての『まれびと』となっている。
「スター・ウォーズ」1977年に公開された第一作目「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」では。C3PO・R2-D2とレイア姫のメッセージがルーク・スカイウォーカーにとっての『まれびと』である。そしてフォースの数少ない担い手としてルーク・スカイウォーカー本人も、他の者を救う『まれびと』となった。
また、日本的に言えば双子であるレイア姫と共に『ヒメヒコ制』の物語とも言う事が出来る。
「アウター・リミッツ(The Outer Limits)」はアメリカのSFテレビドラマでモノクロ作品、1963年から1965年まで放送された。
宇宙人、UFO、超能力者、モンスター、超常現象を取り上げる。
「ウルトラマン」は昭和41年、西暦1966年、カラーで放送された特撮テレビ番組で、前作の「ウルトラQ」が『まれびと』に当たる怪獣や宇宙人が地球へやって来て事件を起こす物語であったのに対し、光の国から来た『まれびと』ウルトラマンがそれを征する巨大変身ヒーロー物の先駆けとなった。
「タイムトンネル(The Time Tunnel)」はアメリカで1966年製作のタイムトラベルを扱ったSFテレビドラマで、二人の科学者が時間軸をさまよい、古代や第二次世界大戦の歴史的事件に立ち会う。
同じく「タイムトラベル」物であっても、第三者で無い当事者の場合は『まれびと』に含めなかった。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future)、バタフライ・エフェクト(The Butterfly Effect)」など、ただし議論の有るところだろう。
「水戸黄門」は江戸時代の講談が元で、日本の映画やテレビドラマとしてヒットした。
特にテレビドラマ版では「リア王」の引退した王と道化の構造を取り入れたり、終盤の見せ場で印籠を取り出す事で「自分たちは際立った権力を持つ『まれびと』だ」と宣言して見せるなど、徳川時代の強い封建制度を利用した、他作品に通ずる形式を確立した作品となっている。
しかも、これを演じたのが権威主義に抗して来たハズの、新劇の役者たちであった。
「スタートレック・宇宙大作戦(Star Trek)」はアメリカのSFテレビドラマで、1966年から1969年まで放送された。
登場人物に各民族・性別を配し、惑星連邦を組織した地球人は、「論理」を重んずる知的生命体バルカン人科学士官の『まれびと』役「スポック」と共に、人類へ残された最後の開拓地、ギリシア神話に基づく世界観の『宇宙』を旅する物語で。
彼ら自身もまた『まれびと』と成るため『まれびと』の二重構造になっている。
在宅勤務中のアマビエ
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見て頂いたように『まれびと』物語には大きく分けて「二種類」が存在する。それは、
●『まれびと』である「ドラえもん」を対象として見た、受け手側から描く「のび太」の物語と、
●『まれびと』本人の物語として描かれる「ポケモン」や「異世界転生」物である。
アマビエが現世へ来訪した当初、私たちは対象としてアマビエを受け入れた。
しかし今回、世界へ配信される「アマビエチャレンジ」では対象としてだけでは無い、アマビエの性格や生活感の付加価値が与えられた描写は、
アマビエの『まれびと』としての性質が対象から変化し、私たちの主観がアマビエ側へ移動した結果だ。
この異世界より来訪せし幻の「ポケモン」とも云えるアマビエが、日本でコロナを抑えるのに一役買っているかどうかは定かでは無い。
しかし、日本人が古来より有する『まれびと』信仰が、
この人類未曾有の危機に、「アマビエ」と成り私達の前へ再び姿を顕したのは紛れも無い事実である。
資料(PDF)
熊本大学学術リポジトリ
Kumamoto University Repository System
ミステリー小説に見る「民俗的世界観」―「都市」から「田舎」への視点 ―
福西大輔
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