秦氏千年の計36 荒れる『崇仏論争』

 聖徳太子しょうとくたいしは「厩戸うまやど」でお生まれになられた厩戸皇子うまやとのおうじとしても知られるのですが、太子たいしを表す御名おんなとして、

豊聡耳とよとみみ」との表記の方が多く見られます。

 これは、一度に10人もの請願せいがんをお聞きになられた太子たいしが、すべての人々の言葉を漏らさず理解している処から来ていました。
 

 この聖徳太子しょうとくたいしの「豊聡耳とよとみみ」の能力とは、何処どこから来ているのかと言うと、太子たいしの用いた志能備しのびの活用によりもたらされる物だったのです。

 甲賀こうがの忍術書忍術應義傳にんじゅつおうぎでんによれば、甲賀こうがの国は馬杉ますぎの出身にして道臣命みちのおみのみことを祖先とする忍者の末裔まつえい、その名を大伴細人おおともの さびとと言い、

 聖徳太子しょうとくたいしの耳と成り御仕おつかえする忍者でした。
 

 時は今、用明ようめい2年(西暦587年)7月、敏達びだつ天皇御崩御ごほうぎょあそばされてより二年の時は経過して、聖徳太子しょうとくたいし13歳の夏、

 欽明きんめい天皇の、お子様同士の皇位継承問題こういけいしょう もんだい、そして「崇仏派すうぶつは廃仏派はいぶつは」の対立がからみ合い、

 「丁未の乱ていび  らん」の幕が切って落とされる事となるのですが……
 

聖徳太子しょうとくたいしと2人の息子


8世紀の絵画から、木版画の複製:掛軸、紙、絵の具。法隆寺の宝の1つ。

 
 さかのぼる事35年前の、欽明きんめい天皇13年(西暦552年年)に朝鮮半島の百済くだらの国から、仏像と経典が伝来すると、

大臣の職にあり天皇にとって母方の親戚しんせき関係である蘇我そが氏の蘇我稲目そがの いなめが、

 「数多くの国々が仏法を礼拝らいはいしているのに、日本だけが背くのはいかがなものか?」と言うのに対し、

大和朝廷の古くからの臣下で、天皇の補佐として執政しっせいを行う大連おおむらじに任じられる物部尾輿もののべの おこしは、

 「日本の天皇は、天津神・国津神あまつかみ くにつかみほうじてきたのに、それを止め外国の神をおがめば、日本古来よりの神の怒りを招く」と応じます。
 

 「ならば稲目いなめよ、試しに信仰してみてくれ」

 欽明きんめい天皇が、そう申されますと、蘇我稲目そがの いなめは仏像や経典を自宅に安置し、向原むくはらの家を浄めて寺としました。これが日本の仏教寺院の始めです。
 

 その後、国内で疫病えきびょう蔓延まんえんしたことで、物部尾輿もののべの おこしは「仏教を広め国神が怒った」と欽明きんめい天皇へ進言。

 欽明きんめい31年(570年)に蘇我稲目そがの いなめが死去すると天皇の許可の元、物部尾輿もののべの おこし向原むくはらの寺を焼き払いました。

 しかし疫病は収まるどころか、天災までが続いた事から仏教の信仰が許可されることとなります。
 

 欽明きんめい天皇の御子様など、

 ◆敏達びだつ天皇推古すいこ天皇と異母兄妹で夫婦。
 ◆用明ようめい天皇聖徳太子しょうとくたいしの父君。仏教推進を臣下たちにはかる。
 ◆推古すいこ天皇敏達びだつ天皇と異母兄妹で夫婦。
 ◆穴穂部皇子あなほべのみこ敏達びだつ天皇崩御ほうぎょされると異母姉弟の推古すいこ天皇ねらう。
 ◆崇峻すしゅん天皇穴穂部皇子あなほべのみこと母も同じ兄弟。
 ▲宅部皇子やかべのみこ欽明きんめい天皇の兄の宣化せんか天皇の御子で穴穂部皇子あなほべのみこと仲が良い…
 

 欽明きんめい天皇御崩御ごほうぎょあそばすと、敏達びだつ元年(西暦572年)「廃仏派はいぶつは」寄りにあらせられる敏達びだつ天皇御即位ごそくいともない、

 日本古来よりの神から怒りを買うとする仏教導入反対の「廃仏派はいぶつは」で大連おおむらじである物部守屋もののべの もりやは勢い付きますが。

 海外で影響が強くなっている仏教を日本に導入したい「崇仏派すうぶつは」の大臣である蘇我馬子そがの うまこは病気になると、

 やはり体調を壊しておられる敏達びだつ天皇に対し、仏教を信奉しんぽうする許可を求め奏上そうじょうし、天皇より許可されますが、

 この頃よりちまたには疫病やくびょうが又も流行し出しました。
 

蘇我馬子そがの うまこ墳墓ふんぼとも云われる石舞台古墳いしぶたいこふん

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