【モナ・リザ】自らに母の面影を探すレオナルド・ダ・ヴィンチ

 「世界で最も有名で、多くの人に鑑賞され、書かれ、歌にされ、パロディ化された美術作品」

それが、未完ながら「不朽の名画」と名高い、巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチ作、ルーヴル美術館 所蔵『モナ・リザ』です。

レオナルド・ダ・ヴィンチが1525年に死去した際、題名「la Gioconda(ラ・ジョコンダ):幸せな人」の肖像画は彼の弟子であるサライへ遺贈いぞうされました。
これが『モナ・リザ』だと考えられています。

『モナ・リザ』が実はもう一つ有るのを御存知でしょうか、それが『アイルワースのモナ・リザ』です。

こちらは「若い頃のモナ・リザ」とも云われますが、
アートコレクターが貴族の家からこの絵を発見、ロンドンのアイルワースのアトリエへ持ち込み、スイスの金庫に保管したまま、自社から題名『モナ・リザはどこにいる?』を出版すると、

 「これこそレオナルドが描いたリザ・デル・ジョコンドの肖像画」ととなえました。

『アイルワースのモナ・リザ』
こちらもレオナルド・ダ・ヴィンチ作と云われる

1503年10月の日付でレオナルドが、リザ・デル・ジョコンドの肖像画を制作中である記録が残っています。彼女は次男を出産し、その祝いの品として贈られる肖像画でした。

イタリア語の「ma donna(マ・ドンナ):私の貴婦人」は、短縮形で「mona(モナ)」となります。
『モナ・リザ』とは「私の貴婦人 リザ」の意味なのです。
 

 ですがここで疑問が残ります。なぜ構図も同じ『モナ・リザ』をレオナルドはもう一枚描き、未完のまま手元へ置いたのでしょう?

西暦1452年、イタリア中部トスカーナ地方、フィレンツェ共和国の郊外に在るヴィンチ村に、レオナルドは誕生しました。

 レオナルド・ダ・ヴィンチとは「ヴィンチ村のレオナルド」を表しています。

父親は裕福でしたがレオナルドが産まれて間もなく別の女性と結婚し、レオナルドは母カテリーナと5歳になるまでヴィンチ村で過ごします。
その後カテリーナが他へ嫁ぐと、レオナルドは父親へ引き取られました。

 これが母との今生こんじょうの別れとなり、二度と会う事はなったのかも知れません。

レオナルドと義母との関係は良好だったようですが、彼女が若くして亡くなると、父親はさらに異なる女性と再婚し、その間には弟妹ていまいも生まれました。

レオナルドが14歳になると、ルネサンスを代表する花の都はフィレンツェでも有数の工房の一つ、芸術家ヴェロッキオが主宰の「ヴェロッキオ工房」へ弟子入りします。
レオナルド以外にも、ボッティチェッリなど名だたる高弟を育て上げたヴェロッキオは、親方としても第一級と言えるでしょう。

ボッティチェッリ『ヴィーナスの誕生』

ヴェロッキオはレオナルドをモデルに、ロンドンのナショナル・ギャラリーが所蔵する『トビアスと天使』や、
バルジェロ美術館 所蔵のブロンズ彫刻『ダビデ像』を作製しました。

ヴェロッキオ『トビアスと天使』
前を行く大天使ラファエルのモデルがレオナルドと伝わる

ヴェロッキオ『ダビデ像』
こちらもレオナルドがモデルと云う。

『キリストの洗礼』
ヴェロッキオとレオナルドの合作

二人以外の弟子たちの手も見えるので「ヴェロッキオ工房製作」と言うのが正しいのでしょう、
その後ヴェロッキオは絵画からは引退、彫刻に専念したと伝えられます。

『モナ・リザ』と『レオナルド・ダ・ヴィンチの自画像』には、
骨格などに一致する点が多く、『モナ・リザ』のモデルはレオナルド本人なのではないかと云われています。
しかしなぜ女性として描かれたのでしょう。

 これこそ『モナ・リザ』最大の謎なのです。
 

『レオナルド・ダ・ヴィンチの自画像』
トリノ王宮図書館 所蔵

リザ・デル・ジョコンドの肖像を描く際、彼女は生まれたての次男と居ることもあったのでしょう、レオナルドはそこへ母と幼い自分を重ねる想いだったのかも知れません。
『モナ・リザ』のポーズは赤子をいだく姿にも見えてきます。

写真の無い時代に、鏡へ写る自に垂乳根たらちねの面影をたずね手直ししながら、幼少の頃ともに過ごせし故郷のヴィンチ村を背景とする母カテリーナの肖像を、レオナルドは最後まで手元へ置きました。
『モナ・リザ』の微笑みは我が子へそそがれる母の温もりなのです。

モナ・リザ
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アイルワースのモナ・リザ
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ヴェロッキオ ダビデ像
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レオナルド・ダ・ヴィンチ
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『パリピ孔明』の如く現代へ転移・転生する作品が少ないのも孔明の罠か!?
 
いつもありがとうございますm(_ _)m
                  
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