① チベットの不思議な少年(Tibetan Mysterious Boy)3

 「ホームズ先生、実は、謎の病気が流行ります。

 なんの病気か分からないけど、なにか分からない病気が流行ります、世界中で風邪みたいな、なんだか分からない病気です。

 世界の人が死にます、なにか分からないけど……

 春節に合わせて中国共産党が、武漢から病気に感染した人たちを世界中に旅行させて、沢山の人たちが死にます!
 

 前も中国共産党は、同じ事を2度くらいやろうとしたけど、毒が強くて、世界に行く前に死んで、だから毒で早く死なない病気を作って……

 今度のは、世界中の人が死ぬかも知れません、どうしたら良いでしょう!」

 「それは、次の春節かな!?」
 

 「そうだと思います―――― アメリカの大統領選挙が有るんですよね、」

 「うん、来年の秋にはアメリカの大統領選挙が有るよ、それを狙ってるのかな?」

 「色々有ると思いますけど…… 今のアメリカの大統領が、中国共産党には邪魔なんです。」

 「そうだね、うん…… 先ずはアメリカ政府に言わないといけないな、それとWHO、」
 

 「WHOとはなんですか?」

 「世界保健機関だよ、」

 「あぁ…… そこは駄目だと思います。」

 「世界保健機関が駄目なのかな?」

 「そこ、国連と関係有りますよね。国連、全然駄目じゃないですか、チベットの事ほっといてますよ、全然駄目です。

 その世界保険……も、駄目だと思います、全然駄目です!」

 「なるほどっ!」


ダライ・ラマ法主公邸はじめ、チベット亡命政府のカシャク(内閣)や議会が置かれる『マクロード・ガンジー』

 
 「どうなさったんですか、タルマーさんが何か言っておられたようですが、」

 チベット亡命政府のテンジン・ヤンゾム氏がやって来てシャーロック・ホームズに問いかけた。

 ツァムジュ少年僧は彼女をチラと見るだけでそっぽを向くので、ホームズが口を開くことにする。
 

 「ヤンゾムさん、あなたな『予知夢』を信じますか?」

 「予知夢ですか、夢で未来予知をすることですよね。確かに、チベット僧の中には予知能力の有る僧侶もいると言われています――――」

 ヤンゾム氏は少し考えて続ける、

 「ただ、それを政治へどのように活かして行けるかは、課題が有ると思います。」
 

 「まったく貴方のおっしゃる通りだ。チベット人の中だけならともかく、他の国となると非常に難しいでしょうね、

 未来予知と言う情報が本当になってしまうと、かえって困る人たちも居るかも知れないし、」

 ホームズはそう言うと、ツァムジュ少年にうなずいて見せた。
 

 「ええ…… でも、オーストラリア政府に言うだけは言って見る積もりです。

 それが起こってはいけませんから。後は…… その情報を万人が知るようにするのか、一部だけで管理して対応を取るのか、になって来るかと思います。

 それも、ある段階から情報を開示して、みんなに知ってもらうような方法も有りますし……

 ただその情報の根拠が『予知夢』と言うのが……」
 

 「ヤンゾムさん、山火事だけでは済まない話しなのかも知れません。」

 「それは、どう言う事でしょう!?」

 「まぁ、掛けましょう。」

 シャーロック・ホームズは、ヤンゾム氏に向かいの椅子を勧め、ツァムジュ少年に自分の隣りに座るようにうながすと、自分も椅子に深く掛ける。
 

 「…… と、言う事は! 病気を中国共産党が世界中でワザと流行らせて、沢山の人が死ぬと…… そう言う事ですか!?」

 ヤンゾム氏の緊張した眼は、ツァムジュ少年の顔を穴が空くほど見入った。

 「実はですねヤンゾムさん、僕は以前から2003年の『SARS』や、2012年の『MERS』のようなコロナウイルスの……

 …… 疫病の世界的な流行を懸念していたんです。それと、アメリカ大統領選挙を狙った可能性が有るそうですから……

 …… ドクター・ファウチがおかしな事を言ってたな――――」

 シャーロック・ホームズには、他にも思い当たる事案が有るようだ。
 

 「―――― アメリカ政府には伝えておいた方が良いですね、出来るだけ早く。」

 「はいっ、すぐに! それとWHOに……」

 「待ってください! 国連の組織に伝える場合は考えた方が良さそうですね。

 WHOに言うなら、絶対に逃げられない状況を作って置かなければなら無いでしょう。彼がそう言っています。WHOは信頼でき無いと、

 チベット僧ツァムジュ、自分の口から直接ヤンゾムさんへ話すんだ!」

 ツァムジュ少年は口元をきびしく結んだまま、

 「信用してません! 絶対 信用しちゃ駄目です、WHOは!!」と、言及した。
 

 「…… 分かりました、この―――― 病気の事は、他に知ってる人はいますか?」

 「知りません! ホームズ先生とヤンゾムさんだけです!」

 「よろしい。僕には医師の友人がいるので、病気の事をそれとなく調べてもらいますよ。」

 そうホームズは話し、ドクター・ワトスンを念頭に置く。
 

 「分かりました、大変な事になるかも知れませんね…… チベット亡命政府でも、一部の上層部だけで話し合う事にします。

 お二人も、秘密厳守でお願いします。ツァムジュ君、良く話してくれましたね、ありがとう。では、もう行きます、

それでは、ホームズ先生! ツァムジュ君!」

 「…… ありがとう。」

 ツァムジュ少年はヤンゾム氏へお礼をのべると表情を希望にゆるませ、

 シャーロック・ホームズの才智は、いよいよ明確な輝きを魅せてゆくのである。
 

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