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サイケデリックが当時の雰囲気を匂わせる、美輪明宏 主演、昭和43年(1968年)、松竹版『黒蜥蜴』のオープニング。
いわゆる「急に歌うよ」も先に製作された、京マチ子の大映版と共通した時代の流行りだった。
いや、こちらは歌に合わせて京マチ子がダンスを披露するので、ミュージカル仕立てとした方が正しかろう。
まずはこれですかね✨#DVD化されたら泣いて喜ぶ映画 pic.twitter.com/Hv4YEwvm2d
— ハゲメガネの怪人 (@birdtorisan) November 21, 2021
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江戸川乱歩の小説『黒蜥蜴』を、三島由紀夫が戯曲化するに当たり、
原作の道徳を廃する耽美的で退廃的な様相と、ライバル 明智小五郎への愛憎入り交じる黒蜥蜴の激情を前へと押出し。
自暴自棄の青年と、さらわれた令嬢との間に湧き上がる恋愛感情。登場人物の簡略化。
東京から大阪へ舞台が移るのを、逆に大阪から東京へと変更されている。
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三島由紀夫の戯曲『黒蜥蜴』は、昭和37年(1962年)、東京・サンケイホールの初代・水谷八重子、芥川比呂志が初演で。
昭和43年(1968年)、二度目の舞台化となる松竹+東急提携15周年記念 名作特別公演 と銘打ち、初めて美輪明宏(当時:丸山明宏)が黒蜥蜴に扮し、当り役を博す。東京・東横劇場、東京・歌舞伎座(アンコール公演)。さらに、名古屋・御園座、京都・南座で公演された。
この時の明智小五郎 役が天知茂であり、後に昭和52年(1977年)、松竹製作のテレビ番組『江戸川乱歩の美女シリーズ』へつながって行く。
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クエンティン・タランティーノ監督はこの黒蜥蜴を『キル・ビル Vol.1』で、悪党たちを牛耳るオーレン石井のモデルにしたと云う。
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昭和37年(1962年)、京マチ子 主演により大映で映画化され。こちらはDVDがある。
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続く昭和43(1968年)、三島の申し出により、美輪明宏を主演「女賊・黒蜥蜴」にむかえた松竹版『黒蜥蜴』は、美輪明宏 自身が東映ヤクザ映画で名を馳せる監督 深作欣二を指名して製作された。
なのだが、なぜかDVD化されていない。
いまや『孤島の鬼・パノラマ島奇談』を原作とし、上映不能の幻の作品とまで云わしめた昭和44年(1969年)、吉田輝雄 主演、石井輝男 監督の東映映画『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』が正規DVD化されている。
こちらは内容に難しい部分がある物の、様は土方巽の「暗黒舞踏」なのだ。
暗黒舞踏は、欧米の騎馬的な飛び跳ねるダンスではなく、日本的・アジア的・環太平洋的な農業や漁業の「踏む」ダンス表現を元として、無垢を現す白塗りと母の胎内の暗黒の中で生きる胎児を表現した。
しかし欧米のダンスを見慣れ暗黒舞踏を知らない者からすれば、奇異に見えるのかも知れない。
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かつて三鷹の名画座「三島由紀夫 大会3本立て」で観る機会があった、三島由紀夫 主演『からっ風野郎』。三島由紀夫 作『金閣寺』を、市川雷蔵 主演、市川崑 監督で映画化した『炎上』。
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そして、ビアズリーの描くワイルド作『サロメ』をクロスへ貼り、三島由紀夫の懇願から美輪明宏との接吻シーンが出来たと伝えられる、松竹版『黒蜥蜴』である。
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深作欣二 氏が逝かれた際に多くの監督作品がDVD化となり「すわ黒蜥蜴もと」噂され、今回も探したのだけれど見付からない。
なぜDVD化されないのか謎ではあるが、かつて深夜に地上波で放送された事もあり、いずれは皆様にお目もじ叶う日もあるでしょう。謎は謎のままに、
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Black Lizard 1968
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黒蜥蜴
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NATOだけは憶えた物です『エロイカより愛をこめて』で
お勢登場より 2
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