③ 香港人かく闘えり(Hongkongers fought like this)2

 2015年6月18日、親中国派のみ立候補できる制限選挙[選挙改革法案]が、香港議会に掛けられるのを受け香港市民は再び集結し、

 ❝【偽の普通選挙】は認めない❞ とする民主派議員27人が全員一致し、親中派議員からも1人の反対が出て、親中派議員の大半が席を外す中、

 賛成はわずか8票にとどまり、反対28票で【偽の普通選挙】法案は否決された。

 これを以て『雨傘革命』運動は、中国共産党が主導する【偽の普通選挙】を打ち破り、香港市民の勝利と言えるだろう。

 ただ【真の普通選挙】を香港で行う願いは、未来へと持ち越された。

バーナデット・チェン陳彦霖 Bernadette Chen
香港人、Web記者。SNSニュースサイト:フレッチャー・ロビンソン社。
 

 2016年8月15日、非合法集会に参加した罪などで、有罪判決を求められて居た『雨傘革命』の学生指導者たち3人に対し、

裁判官は「政治的な空気で判決が下されれば被告らにとって不当」として、

 羅冠聡Nathan Law 氏と 黄之鋒Joshua Wong 氏には社会奉仕活動を命じ、周永康Alex Chow 氏に執行猶予付き禁錮3週間の判決を言い渡した。
 

 ところが、香港政府は「判決が軽すぎる」と控訴し、

1審の判決、社会奉仕や執行猶予付きの有罪判決で、すでに社会奉仕も終了させている『雨傘革命』の学生指導者たち3人に対して、

 2017年8月17日、羅冠聡ネイサン・ロー 氏が禁錮8カ月、黄之鋒ジョシュア・ウォン 氏が禁錮6カ月、周永康アレックス・チョウ 氏が禁錮7カ月となり、

中国共産党へ配慮する香港司法が、学生指導者たちに1年前より確実に重い実刑判決を言い渡す結果となった。

 2019年1月1日、民間人権陣線が主催する恒例の元旦大デモの参加者数は5500人、警察発表で3200人と前年から半減する。

 その間隙かんげきを突く形で、香港特別行政区政府は。

 2月12日、【逃亡犯条例】を改正して、香港との犯罪人引き渡し協定のない、中国本土や台湾・マカオの捜査当局が、

香港に、犯罪事件の容疑者の身柄の引き渡しを要求できる提案をした。

 これでは、中国共産党の都合による身柄拘束や拷問・不当な裁判に繋がり、香港の自治が脅かされかねないと香港市民へ危機感が広がる。
 

 18日、中国国務院は「粤港澳大湾区規画綱要(広東-香港-マカオ グレーターベイエリア計画概要)」を発表、

香港・マカオ・広州・深圳シェンチェンを経済協力と発展を目指す四大中心地とし、香港の金融・貿易を強化すると共に、科学技術・通信・金融などの推進を提唱。

 その狙いは、中国共産党が目論むグローバリズム『一帯一路(シルクロード経済圏構想)』の展開が有るのは明らかだ。
 

 3月15、民主派市民たちは中央政府庁舎で、座り込み抗議デモンストレーションを行う。

 21日,アメリカ政府は2019年版の香港政策法報告書で,香港の自治が弱まったと指摘。

 22日、台湾の中国国民党 韓国瑜ハン・グォユィ 高雄たかお市長が香港を訪問し、林鄭月娥キャリー・ラム 行政長官らと会談した。

 これは、中国共産党が香港政府を操り、台湾の親中派 野党首長との関係を強めさせる事で、

台湾の民進党 蔡英文ツァイ・インウェン 政権を国際的な交渉相手として適当では無いかのように見せかけ、

韓国瑜ハン・グォユィ 氏を次の中国国民党の台湾総統候補にとのたくらみである。
 

 26日、香港政府は【逃亡犯条例 改正案】の修正を発表した。

 9つの罪状を削除し、香港で懲役3年以上の犯罪者を引き渡し対象としている。
 

 3月31日、【逃亡犯条例 改正案】に対し、50の民主派勢力のプラットフォーム『民間人権陣線 CHRF』が、

湾仔ワンツァイのサザンプレイグラウンドからアドミラルティの中央政府複合施設まで中央政府ビルまで、

 1回目の抗議デモを開催。主催者発表で1万2000人(警察発表5200人)が参加した。
 

 4月3日、【逃亡犯条例 改正案】の立法会審議が開始される。

 17日、【逃亡犯条例】の立法会で、委員会審議の開始に合わせた民主派の抵抗から、正副主席の選出がされず。
 

 24日、2013年に香港の政治改革を求める抗議運動「オキュパイ・セントラル(中環を占拠せよ)」の共同発起人で有り、

 2014年の学生が主導した『雨傘革命』へも参加の、

[オキュパイ3人組]、香港中文大学 元教授の陳健民Chan Kin-man 氏(59)と、香港大学准教授の戴耀廷Benny Tai 氏(54)の2人に1年4カ月の実刑。

 キリスト教バプテスト派牧師の朱耀明Chu Yiu-ming 氏に禁錮1年4ヵ月、2年の執行猶予をふくむ9人に対し、

裁判官は「雨傘革命は法律で保障される範疇外」と述べ有罪判決を言い渡した。

 「オキュパイ・セントラル」指導者や学生指導者に対して、一審より厳しい実刑判決が出される事実を見れば、

中国共産党へ忖度する香港政府と香港司法が結託して、民主派指導者を取り除く工作へ躍起となっているのは明らかだ。

 これは取りも直さず『雨傘革命』などの民主派側の成功と国際社会の後押しに、

再び敗れる事が許されぬ、中国の中央政府と香港政府の次なる野蛮な欲望が、いかなる形で我々の前へ現れるのか、心して置かなければならない。

バーナデット・チェン Bernadette   Chen 
香港人、Web記者。SNSニュースサイト:フレッチャー・ロビンソン社。
 

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