【千夜一夜物語】右手のないモースルの若者

 若者はモースルの街の豪商の息子だ。

カイロへ商売に出かけ、途中のダマスで成功し豪華な屋敷を借りて住み、

その前を通りかかった若い娘と付き合い出した。
 

 娘は「今度は私より若く美しい娘を連れて来る」と言い、そして実際に連れて来て若者にたずねる。

 「この娘の方が私より美しいでしょう」

「はい」と答えた若者は、娘の言うがままに連れて来られた娘と一夜を共にした。しかし、
 

三姉妹


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 朝目覚めると連れて来られた娘が死んでいる。
 

 誰も居ない屋敷で一人慌てる若者は、遺体を床下に埋めて隠すと家賃を前払いし、屋敷に誰も入れないようにしてしまった。

 カイロへ逃げるがすぐ金が乏しくなり、あっさりダマスへ戻って来てしまう。

死んだ娘の首飾りを屋敷で発見した若者は、金にしようとする。

だが出処でどころが分らないのを不審がられ、通報されたあげく、

 「盗んだ」と偽の自白をしてしまい、泥棒として刑罰を受ける事になってしまった。
 

 右手を失ったのはそのためだ。

首飾りに見覚えのある総督が若者に真実の告白を迫り、若者は本当の経緯いきさつを話し出した。

 「その二人は私の娘だ! 長女が次女に嫉妬して殺したのだ!! 長女が閉じこもり泣いているのはそのためか…… 君に罪は無い。」
 

 その後、若者は中立を護った三女と結婚し、総督の庇護ひごの元、幸せに暮らしたと言われる。

(本当に「若者に罪が無いのか」釈然しゃくぜんとしない処は有りますが、伝わる物語はこうです)
 

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