アナ雪1「なぜ物語でいつも年長者が損をするのか?」

 姉のエルサは自らの力の制御せいぎょを知らず、心は内へと向き何事にも慎重になる。

 妹のアナは世間を知らず、心は外へと向いてゆく。
 

 皆に愛される妹と、うとまれる姉。

姉妹兄弟で年若い方が活躍し、年長者が損をする物語は世界共通である。

 三匹の小ブタ、オオカミと七匹の子ヤギ、シンデレラ……
 

 日本でも、姉のイワナガヒメはニニギに選ばれず割りを食い、私たちの寿命は短くなってしまった。

理由はコノハナサクヤヒメの「草木」より「岩」鉱物の方が、時間の経過に左右されにくいからだ。
 

 医薬の神であるスクナヒコナが石「鉱物」の神で有るように、

仙人になる方法が記された「抱朴子ほうぼくし」にも、草木の薬より鉱物が不老不死の仙人の霊薬「仙丹せんたん」に成ると書かれている。

 まあそのために、歴代皇帝は水銀中毒になってしまうのだが。
 

 それはさておき、『古事記』では神々の長子であるヒルコが、天磐櫲樟船あめのいわくすふねで流されてしまう、

 【洪水型兄妹始祖】の神話タイプで、最初の子を生み損なう事例は世界でも珍しく無い。

 その理由は「近親相姦」のタブーと、胎盤が第一子目とするところから来ている。
 

 昔の日本では、胎盤や死産の子・間引きの子を馬小屋・牛小屋に埋葬する風習が有った地域もかつては存在し、胎盤は「子」と考えられていたのだろう。

馬小屋などに埋葬するのは、親が子をしのんで泣くことが出来るようにである。

 その他に伝わる神話では、最初の子は海に捨てられ海洋生物の祖になった。
 

オオカミと七匹の子ヤギ


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 【海の底の臼】の民話タイプは日本にも伝わり、類話が柳田國男などによって収集され、

海底で無限に塩を出し続け、海水を塩っぱくしている原因の「不思議な臼」の昔ばなしであるが、

 裕福で欲張りな兄と、貧乏な弟のお話しになっており、その強欲さから兄は臼を手に入れる、しかし無限に出続ける「塩」の止め方を知らない、と言う物語だ。
 

 「アラビアンナイト・千夜一夜物語」に入れられてはいるが、実際にアラビア語の原典の無いお話し『アリババと40人の盗賊』でも、

兄は呪文の「開けゴマ」を忘れるくだりが出て来て、

 愚かな兄と、利口な弟の物語として描かれている。
 

 「アラビアンナイト・千夜一夜物語」では、兄たちになたまれ命を奪われそうになる弟のお話しや、

右手のないモースルの若者』の姉と妹も、関係は複雑だ。
 

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アナ雪2「儒教の影響で兄弟関係が逆になる!?」

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