柳田國男の『山の人生』「二九 巨人の足跡を崇敬せしこと」、に『オオヒト』と言うのが出てくる。
「山人の丈の高い」「山小屋をまたいで揺さぶった」「やや頑丈なる体格」「一本足で飛び回る」「山男の足跡」と有る、
詰まり「一本足の身体の大きな山男が山小屋をまたいで飛び回り足跡を残した」と言うのだ。
スキアポデス 傘足(モノコリ)
仰向けに寝転び大きな足を日傘代わりにする一本足(モノコリ)の種族。驚くほど俊敏に動き回ると言う。
古代ローマのプリニウスの著書『博物誌』や、ハルトマン・シェーデル『ニュルンベルク年代記』(1493年)にも紹介される。
ハイベルベルク大学図書館
土佐では山人を一般に山爺と呼び、一本足で眼も一つだと信じられ会った者もいた。
紀州熊野の深山では、一たたら、一本踏鞴と言い、昔話に退治されたと伝えられる。
「たたら」とは『たたら製鉄』で、炉に空気を足で踏んで送る鞴の事だから、『たたら製鉄』を生業としていた人たちが当時の政府に編入されたのだろう。
一本踏鞴はこの人々の神だった。
その正体はアマテラス「岩戸隠れ」に際し、刀斧と鉄鐸を造ったアマツヒコネの子『アメノマヒトツ』だと言われる。
このように一本足の巨人『オオヒト』や『一本踏鞴』のような奇数足を持ち深き魔所に住む『山の主』たち、
山人や山男が他の府県にもまだ多く居ると、柳田國男など民俗学者の手により言及されている。
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