秦氏千年の計28『茶の湯』への道

 儒学じゅがく朱子学しゅしがくは徳川幕府にとって、戦国時代・安土桃山あづちももやま時代までの旧秩序きゅう ちつじょを、

徳川時代の新秩序しん ちつじょで塗り替えてしまうための、無くてはならない道具でした。

 これまでも、ふる秩序ちつじょから新しい秩序ちつじょへと塗り替える作業は、新たなる支配者によって何度も行われて来たことです。
 

 強力な権力を保持する奈良仏教から脱するため、きょうみやこ遷都せんとして伝教大師でんぎょうだいし 最澄さいちょう弘法大師こうぼうだいし 空海くうかいに新仏教を開かせた桓武かんむ天皇や、

 その最澄さいちょうの開いた比叡山ひえいざんを焼き討ちする織田信長おだ のぶながも、

強くなったきょうの仏教勢力を攻撃することで、旧来きゅうらいよりの秩序ちつじょを壊そうとする新たな支配者でした。

 そして、日本仏教の同性愛主義と相容あいいれぬイエズス会のキリスト教布教ふきょうを許すのです。
 

 では、織田信長おだ のぶなが構築こうちくした安土桃山あづちももやま時代までの新秩序しん ちつじょとは何で有り、またどのように維持されて来たのでしょうか?

 織田信長おだ のぶながが新しく構築こうちくした新秩序しん ちつじょ

 それは、ちゃです。
 

 ちゃ茶湯ちゃとうとも言い、平安時代の遣唐使けんとうしだった最澄さいちょう空海くうかいが、団茶だんちゃと呼ばれる固形に加工されたお茶をとう(618年ー907年)より持ち帰ると、

嗜好品しこうひんでは無く、薬として必要量のみせんじてんでいました。

 この頃の茶の色がわゆる茶色です。

 また、これがやがて煎茶せんちゃへ発展して行きました。
 

明菴栄西みょうあん えいさい


ちゃの種を持ち帰った明菴栄西みょうあん えいさい
日本のちゃみちはここより始まった。

 
 平安へいあん時代末期から鎌倉かまくら時代初頭に比叡山ひえいざんで出家し、後に臨済宗りんざいしゅうの開祖となる僧侶そうりょ明菴栄西みょうあん えいさいが、

 南宋なんそう(1127年ー1279年)にて学んだ禅宗ぜんしゅうを、日本へ持ち帰った際に、そこへお茶の種も入っていたのです。

 ここより日本でのお茶の栽培が始まり、茶のて方や、香りや味から銘柄めいがらを当てる博打ばくち闘茶とうちゃもよおされるようになると、

 お茶は、武家やごく一般の庶民にまで広まって行きました。
 

 そして大金を用い、チャイナの茶器ちゃき唐物からもの」を蒐集しゅうしゅうし、盛大せいだい茶会ちゃかいもよおす「唐物数寄からもの すき」が、

応仁・文明おうにん  ぶんめいの乱」で政情せいじょうが不安定になる15世紀の後半ごろまで、大名の間に流行します。

 武家の間でのあまりの流行に、「建武式目けんむ しきもく」で禁止される程でした。
 

道元禅師どうげん ぜんじ


一つの薬缶やかんのお茶を僧侶たち皆が分け合いみ、心を一つとする和合わごう茶礼されいあらわ道元禅師どうげん ぜんじ

 
 曹洞宗そうとうしゅうを開いた道元禅師どうげん ぜんじは、茶をきょうする際の儀式茶礼されいを『永平清規えいへいしんぎ』にあらわし、

 禅寺ぜんでら僧堂修行そうどう しゅぎょうとして、1日に数回行われるの茶の儀礼は、

一つの薬缶やかんのお茶を僧侶たちが皆で分け合いむことにより、心を一つとする和合わごうの意味合いを持ち、これがちゃ原型げんけいとなります。
 

能阿弥のうあみ
(水墨画。国宝・重要文化財)
 

「あけぬ暮ぬ ねがふはちすの 花のみを まつあらはせる 一筆ぞこれ 老能七十五歳」
最晩年の小品である。

 
 銀閣寺ぎんかくじ東山山荘ひがしやまさんそうで有名な「数寄すき」の道の探求者、室町むろまち幕府 第8代将軍 足利義政あしかが よしまさ出家しゅっけして事実上政務から離れ、妻の日野富子ひの とみこに任せてしまうと、

 義政よしまさつかえる芸能集団「同朋衆どうぼうしゅう」の、水墨画すいぼくが連歌れんが華道かどう香道こうどうに優れる能阿弥のうあみに、

 従来の闘茶とうちゃ会所かいしょの方式を元として「唐物からもの」の茶道具ちゃどうぐは飾りますが、書院造しょいんづくりの四畳半で禁欲的な精神性を重視する書院の茶しょいん  ちゃを監督させました。
 

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