しかし、「○○の犬」と言うように、『犬』を悪い意味で使う場合も御座います。
それはなぜでしょう?
皆様は「万 里 の 長城」を、ご存知の事と思います。
チャイナの各王朝はおよそ三千年も前から、北方の遊牧民族と攻防をくり広げ、約7930キロメートルにも及ぶ城壁を建設しました。
この北方の遊牧民族がトーテムとしていたのが、「犬やオオカミ」だったのです。
「獫允」や「西戎・犬戎」は、周王朝(紀元前1046年ー前256年)を脅かした、北方・西北方の遊牧民族です。
この「獫允」を祖先とする「匈奴」もまた、前漢王朝(紀元前206年ー西暦8年)に永く外圧を掛け続けました。
「匈奴」が滅んでも、北方の遊牧民族は再編成されます、「蒙古・モンゴル」は宋王朝(西暦960年ー1279年)を攻めました。
そして遂にチャイナは、「モンゴル帝国」に呑み込まれて仕舞います。
北方民族「獫允」の『獫』の字は、「口の長い犬」を意味していました。
犬やオオカミをトーテムとする北方遊牧民族は、チャイナにとって長年に渡っての脅威だったのです、
そのため『犬』を悪い意味にしたと考えられます、そしてその思考が日本にも伝わりました。
流星を「天狗」として恐れる
Copyright ©いらすとや. All Rights Reserved.
隕石が大気圏へ突入し、北の空を切り裂いて発光しながら降って来ると、爆音を轟かせる。
犬やオオカミをトーテムとする民族を、『敵』としていた彼等チャイナは、これを「天の狗だ!」と言い、
流星を『凶星』として恐れました。
これが日本へ伝わり、鼻が高く顔の赤い『天狗』に変化して行ったと考えられます。
また、清少納言『枕草子』に、孟嘗君伝「鶏鳴狗盗」の故事が出てきますが、
ここで云う『狗盗』とは、「狗と呼ばれた泥棒」の事です。
このように、『狗』『獫』『犬』『オオカミ』を悪く云う考え方が、日本へ伝えられている事実を、確認することが出来ます。
函谷関が「鶏鳴狗盗」の舞台となる
秦氏千年の計6「二頭のオオカミ」日本国と倭国
秦氏千年の計4 日本の『オオカミ信仰』
【生の無限性】アポロンとディオニュソスの二男神が、日本ではアマテラスとアメノウズメの二女神になる!!【生の有限性】(壱の巻)
捨身飼虎1【神の中立】と【仏の共感】
アマビエと『まれびと』信仰1
|