2019年11月4日
かつて私ことジョン・H・ワトスンもまた、世界や人間社会のかなたに誠の正義が有ると勝手な妄想を描いた。
すなわち人類は全能の存在による創造物であり、苦悩にさいなまれる人々はその超越した存在によりいつか救われると考えたのだ。
はたして、努力無き者にそれは訪れるであろうか。
2020年1月31日23時、イギリスが正式にEUを離脱する事は決まり、財政主権を完全に取りもどした供給能力の有るこの国が、
現代貨幣理論 MMTの享受者となる新時代は今、始まろうとしている。
我が姉妹兄弟たちよ! 我らが友人シャーロック・ホームズから久しぶりの連絡は有った。
友が今かの地へと赴任し、その信念は実践されるであろう。
『人を救うのは本人だけである、僕はそれを手伝うのみ』と、
人間の強い意思だけが未来を決定できる、それがおぼしめしならば前へ進み続けねばならぬ――――
リモートで見る友の顔は相変わらずやせてはいるものの、日に焼け健康そうでなによりだ。
くわしく聴くつもりはないがインドの風に染まったらしい。
「血行も良さそうじゃないか、」
私がそう言うと、ホームズは『あかんべえ』をして見せた。
「よろしい!…… お酒は呑んでる? 見当たらないけど、」
「あ〜。バター茶ばかりかな、」
「タバコは?」
「ココのところ、まったくやってないよ。食後にはやってたんだけどね……
ある時からやって無いな、タバコも湿気ただろう、口ざみしいからこうやってはいるんだけど、」
と、火のない桜材のパイプをくわえている。
ヒマラヤ山脈を望む、サンセットビューポイント
「見てくれワトスン、ヒマラヤだよっ、」
どうやらホームズは窓から霊峰を眺めながら、日々の瞑想にすっかり夢中なのだろう。
「おぉ、いつか行ってみたいな。ハドソン夫人がさっきお茶を用意してくれてね――――」
私は限られる画面からのぞむ風景より、こちらの方が気になった。
「あぁ、やってくれ、」
「じゃあ、遠慮なく。」
ハイグローヴのブレンドティーへ淡いマーブル模様を描くミルクを流し入れ、皿へ並べられた色とりどりのジャムが乗るビスケットたちに私は舌鼓を打ち、
見ると笑顔のホームズも、ポットの湯気立つバター茶をカップにそそぎ、それを口へと持ってゆく。
「ハドソン夫人が君は元気か心配していてね、ぜひ連絡がほしいそうだ、」
「いやぁ、ハドソンさんにはいつも気にかけて頂いて感謝しているよ、そう君から伝えてくれないか。
それよりも――――
親愛なるワトスン! 君を医師と見込んでたのみたい、最近の伝染病だ、かつてのペストのような、天然痘のような……」
私は「―――― 最近の? SARSとか、MERSのような?」と聞き返した。
「その通り、ワトスン! それを意味した発言や、発生を予見している事象を調べて欲しいんだ。」
「それなら調べておいたよ。アメリカ国立衛生研究所に ❝感染症の第一人者❞ が居るね。」
「期待を裏切らないなぁ君は! ❝感染症の第一人者❞ か、それはドクター・ファウチ?」
「そう!」
「皮肉じゃなくて?」
「皮肉? ハハハ、彼は正真正銘の ❝第一人者❞ だよ、なにせ50年以上にわたり君臨してるからね、」
「なるほど!」
ホームズの思考はいよいよ気迫に輝き、鋭く突き刺す瞳は彼の顔の上で敵を射抜こうと狙いを定めている。
「エイズ、豚インフルエンザ、エボラ出血熱、この全てが新型コロナウイルスとして彼の50年間で発症した、
そして、最初に治療法を発見したり対応策を出すのは、つねにファウチ氏かその関係者なんだよ。」
「いやぁ、僕もアンソニー・ファウチ氏にはたどり着いたんだがね―――― やはり君はくわしいな、」
「当然さっ! で、いったい何が起こるのかな?」
「それは…… 言えないよ、まだね残念だけど。君の力をこれ以上あおぐ事にならなければ良いんだけど……」
私はホームズの心情をおもんばかって、できるだけ快活に続ける。
「全ての事の起こりは――――
アメリカ国内で新型コロナの研究は危険であると、
2015年のオバマ政権下でアメリカの公金700万$の補助金を付けて、
ファウチ氏が資料やサンプルを中国の武漢ウイルス研究所へ送り委託してしまう。」
「武漢っ!?」ホームズは強く聞き返してきた。
「中国の武漢だよ!
―――― 武漢研究所の歴史は、
1956年に当時の周恩来 首相の肝いりで、中国科学院 武漢微生物研究室が設立、
2004年、胡錦濤 氏が主席の際に当時のフランス政権と『新感染症の予防・制御に関する協力合意』を締結する。
これに対して、
2001年の9月と10月の2度にわたり発生した【アメリカ炭疽菌事件】をきっかけに、生物兵器への警戒が世界的に強まる中、
フランス国防国家安全保障事務総局 SGDSNは、
❝P4研究所は生物兵器庫になりかねない❞ と警戒した。」
「うん! その通り、」
さらに、前年の2003年に起きたSARS『重症急性呼吸器症候群』を例に上げて、
フランス・中国共同プロジェクトに反対するフランスの細菌戦争の専門家たちは、
❝中国に対する強烈な不信感❞ を示す。」
「当然だね止めないと!」
「―――― ところが、それを無視して、
2008年、フランスの富豪でバイオ企業の創業者アラン・メリュー氏と、
中国の前 中国科学院副院長で、現 中国紅十字会会長の陳竺 氏が実行委員となり、
2010年に、毒性が強い生物ウイルスの研究ができる、中国初のP4(プロテクション4)研究所の建設計画が本格始動してしまう……」
「フフッ、失礼。」とホームズが鼻で笑った。
「2012年の春、中国の雲南省 昆明市から南西へ3百キロ、ラオスとベトナムの国境近くにある、
銅山跡の中に住み着くコウモリの糞を清掃していた作業員6名は、咳や呼吸障害、発熱などの重症肺炎を発症して内3人が死亡する。
2013年、この廃鉱でコウモリの糞便サンプルを採取したのが、
コウモリ由来のコロナウイルス研究で世界的に知られるようになる石正麗 氏をふくむ、武漢ウイルス研究所の研究者チームだったんだね。
同年のイギリス科学誌【Nature(ネイチャー)】にオンラインで発表された、
中国科学院 武漢ウイルス研究所 研究員 『バットウーマン』こと石正麗 氏や、
オーストラリア、シンガポール、アメリカのNGO『エコヘルス・アライアンス』も加わる国際研究チームの研究結果によれば。
SARSコロナウイルスと99.9%同じコロナウイルスを、チュウゴクキクガシラコウモリの糞便から分離に成功して、
SARSの起源は野生のジャコウネコ(ハクビシン)と、チュウゴクキクガシラコウモリから人へ感染した物との実証を進めているよ。」
キクガシラコウモリ
コウモリで見つかったSARS様ウイルス
【Nature】
新世界秩序② コロナの城(The Corona Castle)2
新世界秩序① チベットの不思議な少年(Tibetan Mysterious Boy)3
新世界秩序(New World Order)
秦氏千年の計14 チベットの吐蕃王国
ペンス副大統領による【対中政策演説】2018年10月4日
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① チベットの不思議な少年(Tibetan Mysterious Boy)1
① チベットの不思議な少年(Tibetan Mysterious Boy)2
① チベットの不思議な少年(Tibetan Mysterious Boy)3
② コロナの城(The Corona Castle)1
② コロナの城(The Corona Castle)2
② コロナの城(The Corona Castle)3
② コロナの城(The Corona Castle)4
② コロナの城(The Corona Castle)5
③ 香港人かく闘えり(Hongkongers fought like this)1
③ 香港人かく闘えり(Hongkongers fought like this)2
③ 香港人かく闘えり(Hongkongers fought like this)3
③ 香港人かく闘えり(Hongkongers fought like this)4
③ 香港人かく闘えり(Hongkongers fought like this)5
③ 香港人かく闘えり(Hongkongers fought like this)6
④ 九龍籠城(The Besieging Demonstrators in Kowloon)1
④ 九龍籠城(The Besieging Demonstrators in Kowloon)2
④ 九龍籠城(The Besieging Demonstrators in Kowloon)3
④ 九龍籠城(The Besieging Demonstrators in Kowloon)4
④ 九龍籠城(The Besieging Demonstrators in Kowloon)5
④ 九龍籠城(The Besieging Demonstrators in Kowloon)6
⑤ ガルワン攻防(Galwan attack and defence)1
⑤ ガルワン攻防(Galwan attack and defence)2
⑤ ガルワン攻防(Galwan attack and defence)3
⑤ ガルワン攻防(Galwan attack and defence)4
⑤ ガルワン攻防(Galwan attack and defence)5
⑤ ガルワン攻防(Galwan attack and defence)6
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